冬の剪定を終えつつある今
この冬は、複数の畑と向き合ってきた。
桃の畑では
大石下、金山、鍛治畠、稲山原。
両親のみは、
宮田、馬見塚、大石、鍛治畠。

そして池田は、唯一の棚の畑である。
棚は効率のための仕組みだと講習会で学んだ。
確かに理にかなっている。
しかし池田の棚は、
長い年月のなかで層を増やし、
平面の思想が立体へと変わっていた。
効率の装置が、
時間を要する構造へと変わっている。
そこで私がやっているのは、
「仕上げ」ではなく「減層」である。
三層を二層へ。
二層を一層へ。
一度に理想形へ持っていかない。
しかし確実に軽くする。
これは建築の改修と同じだ。
既存建築に手を入れるとき、
まずやるのは装飾ではない。
荷重を読むことだ。
どこが無理をしているか。
どこが重なり過ぎているか。
そこを整理する。
桃の畑でも同じことをしてきた。
大石下や金山では、
結果枝を整えつつ、
将来の更新を意識する。
一方で、摘蕾に先送りした枝もある。
それは判断を怠ったのではない。
花を見てから決める余地を残した。
設計で言えば、
施工図で最終判断する部分を残すのに似ている。
冬の段階で全てを確定させない。
空間も、木も、
最終的なバランスは、
季節が一段進んだときに見えてくる。
まだ作業は残っている。
宮田が少し。
稲山原はほとんど。
両親の畑よりも、
私のほうが春先の仕事は多いかもしれない。
だがそれも織り込み済みだ。
冬に減らしすぎない。
春に読み直す。
余白を残す。
建築の仕事も、畑の仕事も、
本質は変わらない。
構造を読み、
重なりを解き、
無理を減らす。
そして、必要なものだけを残す。
細かな判断や技術的な整理は、
noteに随時記している。
- 池田の棚を、もう一度呼吸させる 2026/2/11
- 稲山原の桃は、急がずに進めることにした 2026/1/23
- ネクタリンを、もう一度ちゃんとやってみようと思った理由 2026/1/20
- 金山・ゆめみずきの剪定を進めながら考えていたこと 2026/1/19
水分堂では、
空間を整えるという姿勢だけを残していきたい。
春はもう近い。
花の数ではなく、
光の入り方で、
この冬の仕事は答えを出す。
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